渋谷再開発計画‘70 〈70年代の人間都市を目指して〉
渋谷再開発促進協議会
渋谷再開発促進協議会は1971年(昭和46年)10月15日に渋谷駅を中心とした半径1kmの地域で、1985年(昭和60年)を目標に5000億円の巨費を投じ「新都心」として再開発しようという「渋谷再開発計画‘70」を発表し、大きな反響を呼んだ。こちらは坂倉準三氏が亡くなられたためか、㈱アーバンインダストリー 内井昭蔵建築設計事務所に委託して策定している。概要は以下の通りである。
- 1. 渋谷における再開発構想の推移と問題点
- 1958首都圏整備計画案、1963東京の再開発に関する基本構想、1966渋谷再開発計画
- 問題点・・・地形的特性による制約、意識上の閉鎖性、長期的な展望の欠如
- 2. 渋谷再開発のイメージ〈再開発の理念と方法〉
- 理念
- ① 渋谷の持つ空間の経済的価値を高めること
- ② 新しい都心としての渋谷を目指して脱皮すること
- ③ 渋谷の特徴を生かし、独自な魅力を作ること
- ④ 人間的なコミュニケーションができる場面を設定すること
- イメージ
- ① 高密度な情報拠点としてのシステム化した中心部
- ② 4つのブロックによる渋谷の性格付け
- ③ 緑と広場が連続するコミュニティショッピングモール
- ④ 4つのブロックをつなぐ開発拠点とぺデストリアンデッキ
- ⑤ 拠点をつなぐ地下街
- 方法
- 部分から手をつけ、計画する拠点とネットワークにより自然発生的に成長する
- 理念
- 3. 基本構想
- 半径1km、徒歩10~15分の範囲を設定し、4つのブロックに分ける
- Ⅰブロック(宇田川町を中心とした駅西北部)
- Ⅱブロック(桜丘町を中心とした駅西南部)
- Ⅲブロック(渋谷3丁目を中心とした駅東南部)
- Ⅳブロック(渋谷1・2丁目を中心とした駅東北部)
- 道路整備計画
- ① 渋谷の外郭0.5km~1kmに環状の道路2本を考える。
- ② 246のバイパスとして、首都高3号線と高架の246(一方通行)
- ③ 各拠点の地下、バイパスを利用し半径500m圏に15,600台のパーキング
- ④ 一方通行・バイパス・・・等の交通規制
- 都心軸
- 宮益坂上~道玄坂上へデッキ、中心部に空中広場、上部をオフィス・文化施設
- 副都心軸
- 宮下公園を駅まで拡大延長、公園ショッピング、目黒方面へペデでつなぐ。
- 拠点配置計画
- 渋谷駅拠点計画
- 山手線上に交通デッキ、その上部に市民広場、超高層ビル
- 宇田川町再開発計画
- 駅に集まる人と放送センター・代々木公園に集まる人を結びつける。若者・家族を対象とした文化・娯楽センター
- 百軒店再開発計画
- ショッピングや娯楽諸施設で囲まれた中央広場を作り、ここを四季のバラエティーに富んだ催し物広場として新しい渋谷の名物に
- 東急本社再開発計画
- オフィス街を建設し副都心としての渋谷の機能を充実
- 渋谷操車場跡地および並木町再開発
- 渋谷川改修工事を兼ね、通勤新線や東横線地下化を考慮し交通、情報処理機能を主体としてショッピングモールも
- 青山車庫跡地再開発計画
- 車を対象としたドライブインショッピングを主体に市街地高密住宅を併設、アーバンライフの複合拠点に
- 渋谷駅拠点計画
- ネットワーク計画
- ① ペデストリアンデッキ
- 地上2・3階レベル
- ② ショッピングモール
- 地上の道路を拡幅 線状の公園とショッピング街
- ③ 地下街
- 大規模な面的地下街を形成
- 曲がり角やたまりのスペースを持つ、通路の小道具、オーニング、ショーウインド、看板、舗装のパターンまで気を配りトータルなデザインをする。
- ① ペデストリアンデッキ
- 再開発のシステム
- 地元・官庁・企業の意向をまとめる協議会、実施主体、計画チームの3つが必要
- 1期5年で3期15年を一応の目標
- 半径1km、徒歩10~15分の範囲を設定し、4つのブロックに分ける